希望条件と予算はどちらを重視するべきか

注文住宅を建てるときに気をつけたいのは予算オーバーです。理想の家づくりを追求すればするほど、出費は増えてしまうのです。建物の耐震性能を高めたい、夏は涼しく冬は暖かい家にしたい、浴室に暖房をつけたい、などの工事にはすべてコストがかかります。注文住宅はオーダーメイド施工ができるので、自分の理想を追求しがちですが、どこかで妥協をしないと際限なく建築費用は上がるのです。結果的に予算を300万円もオーバーし、実現不可能になるといった問題も発生してきます。

そこで大切なのは希望条件よりも予算を優先した家づくりをすることです。最高でも上限は3,000万円で、それを1円も超えないなどと決めておきます。明確な基準を設けておかないと、高確率で予算をオーバーしてしまいます。100万円くらい予算を超えてもいいなどと考えると、それなら100万円も150万円も大差ないという発想になってしまうのです。だからこそ最初にかけられる上限額を定めておき、それから家づくりの各種条件を絞っていきます。

予算が明確になれば必然的に妥協が必要になりますし、また妥協ができるようになります。理想をすべて実現できないとなれば、どこかを削る必要性が出てくるのです。絶対に妥協できない条件と妥協できる条件があるなら前者を優先します。希望条件はすべて紙に書いてみて、すべてに優先順位をつけておくといいでしょう。そうすれば概ね満足できる注文住宅に仕上がるはずです。

注文住宅というのは複雑な設計になるほど建築コストが高くなります。思い切ったコストダウンを実現するなら、いかにシンプルな設計にするかがカギです。普遍的な外観や間取りにする、使用頻度が低いと思われる設備は導入しない、などなど。注文住宅だから独創性のある設計にしなければいけないという決まりはありません。建売住宅のように普遍的で飽きのこないデザインにしつつ、こだわりたい部分だけ手を入れるという方法もありです。